謹賀新年 2023年
令和五年 癸卯・(みずのと・うさぎ)
明けましておめでとうございます。旧年中は本院の行事にご協力くださいまして誠にありがとうございました。おかげさまで各展覧会も無事に行うことができました。
さて、昨秋の日展では新入選に井辺錦舟先生が選ばれました。再入選を含めて5人。喜びを感じると同時にこのことが書友諸氏の相互のライバル意識に良い影響をもたらし、書学の目標や方法を再確認につながることを期待しています。すべては「正しい書学の方法」と「求める心」、「地道な臨書」に尽きると思います。
『金烏玉兎』とは、金(太陽)に住むとされる足が三本の伝説の烏と玉(月)に住むとされる兎という意で月と太陽の異名です。そこから「月日が過ぎるのはあっという間だ」という意味に使われます。ここから、陶淵明の詩に『時に及んで当に勉励すべし。歳月は人を待たず』を想起しました。また『鳶目兎耳』は「鳶の目は遠くのことまで目ざとく見つけ、兎の耳はささいな音も聞きもらさない」という意があり、情報収集能力の高い人のことを指します。書においても自分に必要な情報を的確に得ることはとても重要だと言えます。今年一年は、積極的に学ぶ姿勢を持ち、必要な情報を得る目と耳を鍛え、兎のように飛躍できればと願います。
年頭のご挨拶にあたり、皆様のご健康とご多幸、ご健筆をお祈りします。 澤田 虚遊
(関西書芸院事務局)