新年のご挨拶
令和六年 甲辰・(きのえ・たつ)
能登半島地震にて被災された皆様、お亡くなりになられました方々に心よりお見舞い・お悔やみ申し上げます
さて、昨秋の日展では新入選に井本岑遠さん、中田虚洞さんの二名が選ばれました。再入選を含めて九人。喜びを感じると同時にこのことが会員や学生諸君の相互の意識に良い影響をもたらし、書学の目標や方法を再確認につながることを期待しています。すべては「求める心」と「地道な臨書」に尽きます。
「臥龍鳳雛」という言葉があります。中国の三国時代、司馬徽が蜀の諸葛亮を伏せた竜にたとえ、龐統を鳳凰のヒナにたとえたことから、まだ世に知られていない大物や有能な若者をあらわす言葉として使われます。高め合うライバルの存在は自身の成長のために必須でありますし、令和の時代を生きる若手の活躍を大いに期待し関西書芸院全体で応援したいと思います。
才能の差はわずかだ
けれど、努力の差は大きい
そして継続の差はもっと大きい
たとえ非凡な才能はもてなくとも、偉大なる凡庸を目指し、こちらを今年のスローガンとし、年頭のご挨拶にあたり、会員皆様のご健康とご幸、ご健筆をお祈りします。
澤田 虚遊