新年のご挨拶
令和七年 乙巳・(きのと・み)
明けましておめでとうございます
旧年中は本院の行事にご協力くださいまして誠にありがとうございました
本年度から青藍展と関西書芸院展の会期を変更し、より一層、臨書から創作への流れを円滑化するよう試みました 学びが広がり、深まることを期待しています
さて、昨秋の日展では関西書道専門学校の仮名教授の小野玲華先生が特選、新入選に山根祥山さんが選ばれました 再入選を含めて7名 喜びを感じると同時にこのことが会員や学生諸君の相互の意識に良い影響をもたらし、書学の目標や方法の再確認につながることを期待しています すべては「求める心」と「地道な臨書」に尽きます
「龍蛇之蟄。以存身也。」
竜蛇(りょうだ)の蟄(かく)るるは、もって身を存するなり。『易経』
竜や蛇が土の中で冬ごもりをするのは、身の安全をはかるためです
一時的な雌伏、身の保全と将来の飛躍のための大切な土台であることのたとえです
「大きな飛躍の前には必ず屈伸する必要がある」という解釈ができるかもしれません
一時の失意や不遇などは、人生経験、人生の試練として品格を磨くための機会であり、あるいは未来の発展のために必要であると言えるでしょう
そんな時にはのんびりと英気を養い、ご自身を大事にしてください
「伸びる前には縮むもの」
こちらを今年のスローガンとし、年頭のご挨拶にあたり、会員皆様のご健康とご健筆をお祈りします
澤田 虚遊